「日和違い


 
あらすじ
 出かける用事がある米(よね)さん、天気が気になり辰ちゃんの所へ聞きに行く。細かい仕事中の辰ちゃんは、そばでゴチャゴチャとうるさい米さんが邪魔で「わしゃ分らん」とつれない。しつこい米さんに、易者の先生なら分かるだろと追い返す。

易者に聞くと「今日は降るよぉな天気じゃない」と自信たっぷりで、米さんはを持たずに出かける。するとすぐに雲行きが怪しくなり、が降り出した。そのうちに「馬の背を分ける」どしゃ降りとなった。

歩くのもままならず、米屋の軒下で、えらいことになった。こんなはずじゃなかったなんてワイワイ騒いでいると店の主人が出てきた。米さんは傘を貸してくれと頼むが、知らん人に傘は貸せないと言い、じゃあ一晩泊めてくれにあきれ返る。
米屋は米さんに米俵をすっぽりと着せ、頭にサンダラボッチ(桟俵法師)を乗せ、これなら濡れずに済むと親切だ。米さんはただでくれた物と思い「おおきありがとぉ、ありがとぉございました」と行きかける。米屋は「商売物だから何ぼか置いて行ってもらいましょ」とがめつい。米さんは先に言ったお礼の言葉は返してくれとしぶとい。

米俵のお化けみたいな格好で歩き出した米さんだが、すぐに雨が上がって太陽がギラギラその暑いこと。みんながけったいな姿を見てゲラゲラ笑っている。やっと用事を終えた米さん思えばこんな苦労をしているのは易者のせいと先生宅へ乗り込む。まだ俵姿で易者先生はビックリ。かんかんに怒っている米さんに、「お前さん用事に行くのに傘を持って行かなんだのか、”今日は降るよぉな”と言って、間違いないように”天気じゃない”と言ったではないか」とさすが八卦見の先生だ。煙に巻かれたのか、呆れたのか、納得したのか米さんは「はい、さいなら」と飛び出した。

10日ほど経ってまた同じ所へ行く用事ができた米さん、易者は懲りたから、道すがら天気を聞きながら行くことにする。
まずは菓子屋だ。「今日はかなぁ?」、「いやいやではなく、これは有平糖という砂糖ですよ」で、「さよなら」。
次は呉服屋で、「今日は降るかなぁ」、「うちはみな新しぃもんばっかり ですよ。古着が要るのなら古手屋さんに行きなさい」で、「さよなら」。
風呂屋では、「今日は降るだろか?」、「これはフロでなく盥(たらい)だ」
すれ違った少し耳の遠いお爺さんには、「天気」を「元気」、「晴れ」を「禿(はげ)」と聞き間違われ、「さよなら」だ。
お次は天秤棒をかついだ魚屋、「今日は大降りあるかな」、「ブリはないけど、サワラがあるで、サワラ切るか」、「俵着るのはもうこりごりだ、さよなら」。
おぉ、外人さんが来たと、「今日、雨降るか? その、あなた、あめふるか? アメフルカ? アメルカ? あなたアメルカ?」
外人さん 「ノン、ノン。フランス、フランス」




    

     『』より



桂枝雀の『日和違い【YouTube】






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