「堀の内」  

 
★あらすじ とにかく、そそっかしい。帰って来るなり、「歩くと体が傾いてしょうがないので、医者を打つから、注射を呼んでくれ」、女房が見ると下駄と草履を片方づつ履いていたのだ。女房に片方を脱げと言われ草履を脱いでもっと傾いてしまう。そそっかしいのが直るように女房に信心に行くよう勧められ、堀の内のお祖師さまに行くことにする。

 翌朝、女房に起こされるが誰か分からない。たんすを開けて顔を洗おうとしたり、猫をタオルと間違えひっかかれたりする。弁当を包んで堀の内へ向うが、途中、線路を着物の帯と間違え拾おうとする。

 自分の行き先が分からなくなり人に聞いて、道を間違え自分の家に戻ってしまう。堀の内までの道順を自分で喋りながら、堀の内までどうやって行ったらいいのかと聞いたりして再挑戦して行く。
 
 やっと堀の内のお祖師さまに着いて、祖師堂に手を合わせる。やっと一息、ほっとして境内で弁当の包みを広げ始めると僧侶から叱られる。見ると弁当箱ではなく、女房の腰巻でくるんだ枕だった。

 家に帰り女房になんでこんな物を持たせたと怒鳴ると隣の家だった。隣で笑われ、自分の家へ帰ってかみさんに謝っている始末だ。フロに行こうとすると金坊を連れて行ってくれと言う。金坊は、湯に頭から逆さに入れるのでいやだという。逆さに入れれば鼻と耳の穴が綺麗になるなんて負け惜しみを言っている。

 金坊をおんぶしようとし、間違えて女房を背負って行きそうになる。途中、フロ屋を通り越して床屋に入って服を脱ぎ始める。床屋の親方から叱られて鏡があったから間違えたなんてちっとも気にしていない。

 フロ屋の脱衣場で金坊と間違え、湯から上がって服を着たばかりの女の子の服を脱がし始める。自分は全部脱がずに湯に入ろうとする。金坊の背中に刺青(いれずみ)があるので叱るとこれが頭(かしら)の背中で逆にどやされる。今度は鏡を金坊と間違え洗い始める。

男 「どうでもいいけど、俺とお前は親子だけど瓜ふたつだね。背中に俺の顔がそっくり写っているよ」

金坊 「お父っつぁん、鏡洗ってら」

   
  


古今亭志ん朝の『堀の内【YouTube】



堀之内妙法寺「絵本江戸土産」広重画)

   鍋屋横丁 《地図
「鍋屋」という茶屋があったことによる地名。

噺の中で、「この道真っ直ぐ行って鍋屋横丁を左に曲がるとお祖師さまだ」と教えられる。
   妙法寺(堀の内のお祖師さま)の山門 《地図

堀之内妙法寺」(江戸名所図会)
   妙法寺祖師堂
   妙法寺境内の塔
   妙法寺の鉄門(重要文化財)の上部

イギリス人J・コンドルの設計


018


演目表(1)へ    表紙へ    次頁へ