「鰍沢二席目」


 あらすじ 鰍沢で新助を撃ちそこなったお熊は家に戻って毒入りの卵酒を飲んだ亭主の伝三郎を介抱する。伝三郎は命を取り止め、二人は越後の新潟に向かった。

 お熊はお花と名を変え、江戸の吉原にいた時の手練手管で商家の女房となる。すぐに旦那は死んでしまう。これもお花(お熊)の仕業だろう。

 後家となったお花は荒物屋のせがれの宗次郎をたらしこんで、店から百両を持ち出させて駆け落ちする。善光寺への道を明神峠の茶店の近くまで来ると、待ち構えていた伝三郎が鉄砲で宗次郎を狙い撃ち、百両の金を奪って宗次郎を崖から転がり落とす。

 伝次郎は茶店で待っていたお熊と善光寺の方へ下って行く。鉄砲の音に気がついたのが新助で、今でも信心深く善光寺へ向かう途中だ。

 幸い傷は浅く崖を這い上がって来た宗次郎を助け、一緒に二人の悪党を追って行く。降りしきる雨の中を二人に近づいた新助は短筒で狙い撃つと、お熊と伝三郎は弾丸(たま)が当たったのか、足を滑らせたのか谷底へ落ちて行った・・・。

 面白くもなんともない、落ちもない噺で、湿った花火のように中途で立ち消え。この噺は河竹黙阿弥作で、花火、後家、峠茶屋三題噺というが、題と趣向と別々で、不釣り合いな噺だ。

「不釣り合いのところが後家でございます」


  
        




ここは『暗越奈良街道』の暗(くらがり)峠





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