「松竹梅」


あらすじ
 町内の松さん、竹さん、梅さんの縁起のいい名前の三人組が、大黒屋の婚礼に招かれた。横丁の隠居は折角、目出度い名前の三人が行くのだから、御祝儀に余興をしたらもっと喜ばれるだろうと、三人が順番で祝い事を言うことにする。

 謡曲の節回しで、まず松さんが「なった、なった、じゃになった、当家の婿殿、じゃになった」、続いて竹さんが「何のじゃになぁられた」、梅さんが「長者のなぁられた」と、最後に三人で「おめでとうございます。お開きに致しましょう」と締める文句だ。

 三人は隠居の指導で、泥縄で文句を覚え、歩きながら繰り返し練習し婚礼の場へ行く。お目出度い余興をやると言うので、参列者からは大喝采、親戚も大喜びで三人は舞い上がってしまう。

 それでも何とか、松さんと、竹さんは上手く切り抜けたが、梅さんが、長者を忘れ、「風邪、大蛇、番茶、・・・」、しまには「亡者になぁられた」とやってしまい、「おめでとうございます。お開きに致しましょう」と締めることが出来なかった。

 顛末を松さんと竹さんが隠居の所へ報告に行く。
松さん 「梅さんのせいで、お開きと締められなかった」

隠居 「それで梅さんはどうしてる」

竹さん 「決まり悪そうにぐるぐる回って、床の間に飛び込んで、隅の方で小さくなってしおれてました」

隠居 「それなら心配ない。さんのことだ、今ごろは一人で開いて(咲いて・帰って)いるだろう」




三遊亭圓遊(四代目)の『松竹梅【YouTube】


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