「鍋草履」


 
あらすじ
 ある芝居小屋で、茶屋の若い衆が二人連れの客から注文の料理のを幕が下りたら届けようと、はしご段の下に置いてぼぉ〜と待っていた。
すると二階の客が勢いよく下りて来て、鍋の中に片足を突っ込んで、「あっちっち、あっちっち」。
若い衆は「なべ、そんなことをするんです」なんてつまらない洒落を言ったもんだから、「ふざけるな、この野郎!」と殴られる。

そこへ茶屋の先輩がやって来て間に入り男に謝る。鍋の中を見ると豆腐が崩れて、ぐずぐずだ。
鍋を頼んだ客は気が短いようで、幕が下りたらすぐ持って来いと言っていて、新しく作り直す余裕はない。先輩は、「かまやしないから、このまま持って行って食わせてしまえ」だ。
若い衆が「人の足が入ったんですよ」と言うと、先輩は「知らぬが仏、見ぬこと清し」で客は見ていないから分かりはしないと説得する。若い衆も納得して桟敷の客に鍋を運ぶ。

短気な客は遅いじゃないかと怒ったが、鍋料理なのを見て満足した様子だ。
中を見ると豆腐が崩れている。「くずし豆腐だ」なんて通(つう)ぶって美味そうに食べ始めるが、時々じゃりじゃりして、噛み切れないものまで入っている。そこへ最前の男がやって来た。
若い衆は今食べさせているのに、こんな所に来ちゃ困ると言うと、
男 「忘れ物を取りに来たんだ」

若い衆 「あなた、何忘れたんです」

 「鍋の中に草履、片っぽ忘れちまったんだ」




   



桂歌丸の『鍋草履【YouTube



猿わか町よるの景」(名所江戸百景・広重画)
(現在の台東区浅草六丁目付近)


   

出雲阿国の墓(島根県出雲市大社町) 《地図

歌舞伎の創始者。出雲大社の鍛冶職中村三右衛門の娘で出雲大社の巫女だったという。







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