★あらすじ 町内の隠居から番町の皿屋敷に今でもお菊の幽霊が出るという話を聞いた男。お菊が皿を数えるのを9枚まで聞くと、狂い死にし、8枚でも熱病に犯されるという。
男は町内の脳天気な連中を誘い、お菊の幽霊を見に行くことにする。6枚まで数えたところで逃げ出す算段だ。丑三つ時の鐘がなると、井戸からお菊さんが現れて、「一枚〜、二枚〜・・・」と、皿を数え始める。見るとこれが飛びっ切りのいい女だ。見とれているうちに6枚になり。全員一目散で逃げ出す。
連中は恐い思いをしたが、いい女のお菊さんをまた見たくてたまらず次の日も見に行く。この噂が、噂を呼びお菊さんは人気者になる。
これに目をつけた興行師がお上の許しを得て10日間の興行を始めた。毎日大勢の見物人が来るのでお菊さんも客の目を意識して幽霊の仕草がわざとらしく、臭くなってくる。
今まではただで見ていた町内の連中は、見物料を取られ面白くないが今夜も見に行く。待ってましたの声と拍手で、お菊さんが登場する。皿を1枚、2枚を数えはじめ6枚のところで見物人は一斉に逃げ出すが、混んでいてなかなか前へ進まない。
お菊さんは7枚、8枚と数えていく、ついに9枚まで来てしまった。ここでお終いのはずが、10枚、11枚とまだ皿を勘定している。ついに18枚まで数えてしまった。
これを聞いた連中が、お菊さんになぜ18枚まで数えたんだと詰め寄る。
お菊さん「何枚数えようとこっちの勝手だろ」
よく見るとお菊さんは酔っ払っている。なおも連中が皿は9枚に決まっているんだと問い詰めると、
お菊さん 「だから、わかんないかね、あしたお休みなんだよ」
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