★あらすじ 釣りに凝った男が夜釣りに出かけるが、うっかりテグス(釣り糸)を忘れた。すると通りかかった馬方が馬を木につないで行った。その尻尾を見て、男はテグスに使えると尻尾を3本抜いて失敬した。
そこへ通りかかったのが友達の勝ちゃん。男が尻尾を抜くのを見ていて、「お前、今尻尾を抜いたろ、えらいことをした、馬の尻尾、それも白馬の尻尾を抜くなんて」と思わせぶり、深刻そうな顔で言う。
男は気になって仕方がない。「尻尾を抜くとどうなるんだ、教えろ」と頼むが、勝ちゃんは俺もただで習ったんじゃないから、酒を一杯ご馳走しろとせがむ。男のかみさんが他所からもらった一升壜2本をぶら下げていたのを見て知っているのだ。
仕方なく男は勝ちゃんを家に入れ酒を出す。つまみはちょうどかみさんが茹でていた枝豆だ。男は早く教えろとせがむが、勝ちゃんは飲んで食ってなかなか教えない。それどころか、俺も馬の尻尾の毛を抜いてると、年配の人にこういう祟りがあると教えられ恐ろしさに震え上がっただのと、気を持たせる。そのうちに酒も枝豆も空にしてしまった。
やっと勝ちゃん「馬の尻尾を抜くとどうなるか教えてやろう」、男は真剣な不安な面持ちで身を乗り出す。
勝ちゃん 「馬のしっぽを抜くとね」
男 「うん」
勝ちゃん 「馬が痛がるんだよ」
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