「釜どろ」

 
あらすじ 天下の大泥棒の石川五右衛門三条河原釜ゆでの刑に処せられる時に、「石川や 浜の真砂は 尽くるとも われ泣きぬれて蟹とたはむる」と人の歌まで盗んだとか。

 五右衛門の子分たちは、親分の供養と釜ゆで防止のため、日本国中のを盗もうと決起する。最初に目をつけられたのが豆腐屋の釜だ。子分たちは金はそっちのけで、豆腐屋の釜を盗み出すことに東奔西走、豆腐屋の被害は甚大、商売上がったりの店が続出する。

 爺さん婆さんの二人きりでやっている小さな豆腐屋。釜を盗まれては食っていく術がない。何とか釜を盗まれまいと、爺さんが店を閉めた後は釜に入って寝ることにした。婆さんに釜の底に座布団を引かせ、酒の用意をさせ釜に入った爺さん、住めば都で昼間の疲れと酒の酔いとですぐに寝込んでしまった。

 夜も更けて豆腐屋に入った二人組の子分は釜を荒縄で縛って外へ運び出す。担ぐとやけに重く、釜がゆらゆら揺れ出して中の爺さんが目を醒まし、「婆さん、水一杯おくれ」、二人組はびっくりして釜を放り出して逃げ出した。

 釜の揺れが大きくなったので爺さんは「婆さん、地震だ地震だ」と立ち上がって、蓋を取ると上は星空で満月だ。

爺さん 「今夜は家を盗まれた」





柳家三三の『釜泥【YouTube】



豆腐屋(職人尽絵詞)



三条大橋と三条河原   


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