★あらすじ 熊さんが兄貴分の家に建て増しの祝に行くと、あいにく留守。熊さんはこんな立派な建て増しをする兄貴はえらいと誉めると、おかみさんは、「うちの人の働き一つじゃございません。言ってみれば、町内の若い衆さんが寄ってたかってこさえてくれたようなもんですよ」、と奥ゆかしい言い様だ。
感心した熊さん、家に帰ってかみさんこの話をすると、「ふん、それくらい言えるよ。言ってやるから建て増ししてみろ」と、なるほどごもっともで、分が悪くなって何も言い返せない熊さんは湯へ行く。
途中で出くわした辰さんに、「俺が湯に行っているうちに家に行って、何か俺のことを誉めて、カカアがどんな受け答えをするか、聞いて見てくれ」と頼む。
早速、辰さんは熊さんの家に行くが、誉めるに値するものは皆無だ。キョロキョロと見回していると、かみさんの腹がせり出している。しめたと辰さん、「さすがに熊の兄貴だ。こんなに物が高いのに赤ん坊をこさえるなんて、さすが働き者ですね」
かみさん 「あら、何言ってんのよ、うちの人の働きじゃございませんよ。町内の若い衆さんが寄ってたかってこさえてくれたようなもんですよ」
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