「鰻屋」

 
あらすじ 横町の角に鰻屋が出来た。開業日に行くと酒と香コばかり出てきて肝心の鰻の蒲焼が出て来ない。

 文句を言うと、二時間も経ってから丸焼きの鰻が出てきた。あるじに聞くと鰻割きが用足しに行って戻って来ないという。

 丸焼きの鰻は食えないので酒代だけ払って帰ろうとしたら、お代は要りません後日また鰻を食べに来てくださいと言われた。結局、ただ酒を飲んだ勘定になる。

 今日も鰻屋の様子を探って見ると、鰻割きの職人は居ないようなので、またただ酒を飲もうという魂胆で友達を誘って出掛ける。

 調理場に入って、あるじにこの鰻を焼いてくれとせがむ。仕方なくあるじは鰻を掴みにかかるが、ぬるぬる、つるつるで指の間から逃げて行く。糠をかけてもダメで、鰻は店の外へ逃げ出した。

客 「おい親方、どこへ行くんだ」

親方 「前に回って鰻に聞いてください」



       

古今亭志ん生の『鰻屋【YouTube】

落語『素人鰻


鰻屋(三谷一馬画)



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