「青菜」 桂枝雀


 
★あらすじ★ 一仕事を終えて庭に打ち水をした植木屋に、この家のあるじが井戸で冷やした柳影と鯉のあらいをすすめる。
うまそうに飲み食いする植木屋に、主人は菜のおひたしは好きかと聞く。大好きというので奥さんを呼び菜を持ってくるようにいう。
すると奥さんは、「鞍馬から牛若丸が出でまして、名を九郎判官」 
これを聞いた主人「うん、義経、義経」 「植木屋さん、菜はもうおしまいになったそうだ」 
植木屋は意味が分からずにあるじに聞くと、「菜を食べてしまってない、菜(名)を食ろう(九郎)判官」と言ったので、「よし(義経)、よし(義経)」と来客に対しての隠し言葉で言ったのだという。

感心した植木屋は家に帰りこのことを話すと、女房もそんなことぐらい言えるという。
風呂に誘いに来た友達の竹さんに酒を飲ませ、嫌いだという菜を無理やりすすめて女房を呼び菜を持って来るようにいう。

女房 「鞍馬から牛若丸が出でまして、名を九郎判官義経

植木屋 「・・・弁慶」


 
★見聞録★ 「付け焼き刃ははげやすい」・「生兵法はけがのもと」の噺は数多くありますが、植木屋の女房は間違いなく喋って、言い過ぎてしまったのですからましな方でしょう。
*柳影は焼酎とみりんを合わせたもので「直し」ともいうそうですが、どうも甘ったるそうで飲みたい思いませんが植木屋さんは美味そうに何杯も飲んでいました。

前半の仕事先の大家の水をまいた後の庭での涼やかさと、後半の狭い長屋でのやりとりの暑苦しさが対照的で、特に枝雀が演じると暑苦しさが倍増します。

*落ち弁慶は、人のおごり、お供でふるまわれることをいい(落語「船弁慶」の「弁慶」はそうした意味)、単なる語呂合わせでなく上方的な意味合いも含まれているという人もいますが、そこまで考える必要はないでしょう。むしろ「弁慶の立往生」の「困って、進退きわまった」の意が含まれているのでは。
まあ「義経」といえば「弁慶」が出てくるのは自然の流れで、植木屋さんも困ってとっさに「弁慶」が出たのでしょう。

春風亭柳橋(6代目)の『青菜【YouTube】




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