「権助提灯」

 
あらすじ 「悋気は女の慎む所、疝気は男の苦しむ所」なんて言いますが、ある大家の旦那は近所の横丁に(めかけ)を囲っているが、本妻が物分りがよく、お妾も本妻を立てるので、旦那は本宅と妾宅に交互にお泊りでも家内は円満という羨ましい身の上だ。

 ある夜、旦那が本宅に帰ると、本妻が今夜は風が強くて火の元が心配だから、あちらに行って泊っておやりなさいと言う。旦那はその言葉に甘えて、飯炊きの権助提灯を持たせて供をさせ妾宅を訪ねる。

 するとお妾の方でも、本妻の言葉を嬉しがり、ここまま泊めてはおかみさんに甘えるようで済まないから今夜は帰ってくれと言う。

 本宅へ引き返すと、今度は本妻さんが承知せず再び妾宅へ。こうして何度も本宅と妾宅を行ったり来たりしているうちに提灯の火が消えた。

旦那 「おい、権助、提灯に火を入れな」

権助 「それには及ばねえ。もう夜が明けちまっただ」



三遊亭円遊(四代目)の『権助提灯【YouTube】


199


表紙へ 演目表へ 次頁へ

アクセスカウンター