「亀佐」

 
あらすじ 中山道は伊吹山の麓、柏原宿亀屋佐京艾(もぐさ)を節をつけて売り歩いていた。
「♪ご〜しゅう(江州)〜 伊吹山のほとり かしわばらほんけ(柏原本家)〜亀屋ぁ〜左京〜 く〜すり(薬) もぐさよろ〜し」とこんな調子だ。

 ある時、亀屋佐兵衛という爺さんが、念仏講中の人たちとお坊さん説教を聞いていた。
坊さん「ただ南無阿弥陀仏さえ唱えていれば救われると言うのは大きな心得違いじゃ。毎日朝から晩まで念仏を唱えていた老婆があの世へ行って、閻魔大王の前でお裁きを受けることになった。老婆はわたくしは生涯にどれほどのお念仏を唱えたか分かりません。その念仏の功徳によって、極楽へ送ってくだされと願い出た。閻魔大王が婆さんが生前に唱えた山ような念仏をふるいに掛けると、ことごとく網の目から下へ落ちて、あとに残ったは死ぬ間際に唱えた南・無・阿・弥・陀・仏ただ一つであったと言う。数さえ多ければよいというものではないぞ・・・・」、すると「グウォー、グウォー」という大いびきが聞こえてきた。

 退屈したのか亀屋佐兵衛がすっかり寝入ってしまったのだ。講中の者が、お説教の邪魔なるから起きろと揺すっても高いびきだ。すると講中の頭(かしら)が、
「♪こう〜じゅう(講中)〜 いびきじゃまのあたり  かしら禿(は)げ、あんた本家(本卦)じゃ、ほんけ亀屋ぁ〜佐兵衛さん、これっ! ゆ〜すりおこすえ〜」、

講中の頭 「法主(ほっす)はん、まだ起きまへんがなぁ・・・・」

坊さん 「今ので一つ、(灸を)据えたげなはれ」



亀屋佐京の番頭の福助さん


桂米朝の『亀佐【YouTube】


「伊吹艾」の看板の掛かる亀屋佐京商店


亀屋佐京の店先の右端に福助さん(広重の柏原宿

落語『今戸焼』にも福助さんが登場する。


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