★あらすじ 船場の大店の旦那がまだ帰って来ない。女房が番頭たちに旦那の行き先を聞くが、皆からかい半分で知らないと言う。くやしがる女房に女中のお清がなぐさめ取り入り、半襟や珊瑚のかんざしなどをせしめていく。
一方妾宅の旦那、今日はここに泊まるといいお供の定吉を店に返す。佐々木さんのお宅で碁を打って夜明かしするという事にするからと言い、お妾さんは定吉に1円の小遣い、口止め料を渡す。
定吉は家に帰ると本妻に呼ばれる。旦那は佐々木さんの家で一晩中碁を打つから帰れないと言う。本妻から饅頭を出され食べると、この中には熊野の牛王さんが入っていて嘘をつくと血を吐いて死ぬと言われ、鰻谷のお妾さんのことを喋ってしまい、袖の中に独楽があるのを見つかってしまう。
旦那、本妻、お妾さんの三つの独楽だ。旦那がこの独楽を回して、旦那の独楽が本妻の独楽にくっつけば店に帰り、お妾さんの方につけば泊まることにする独楽だ。
独楽を回すと旦那の独楽が妾の独楽にくっついてしまう。何度やても同じだ。本妻はきりきりして、「嫌い!何でそないなるんや?」とくやしがる。
定吉 「わて知りまへんがな、何でこないなるのんかいなぁ・・・」、定吉が独楽を調べと、
定吉 「あ、こりゃ何べんやってもあきまへんは。旦那はんの独楽、かんじんの心(しん)が狂うております」
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