★あらすじ 遊びたいが金のない連中が集まっている。悪知恵が働く辰公が連中を引き連れて南地へ繰り込んでどんちゃん騒ぎする。
翌朝、辰公は高津神社の神主が親戚だ言って、そこで払うと店の男衆を付き馬にして仲間と高津神社へ行く。辰公は仲間と付き馬を石段の下で待たせ、「金が出来た」と紙に石ころ包んで上から放り投げた。
ちょうど石段の真ん中に落ちたのを付き馬が拾う間に、石段上の辰公と下にいた仲間が一斉に逃げ出すと、付き馬はどちらを追ったらよいか迷っているうちに、連中はまんまと逃げ切ってしまった。
すっかり味をしめた無銭飲食連中だが、さすがにもう南地へは行けないので、今度は北新地へやって来た。さんざん飲み食いするうちに、気の弱い喜六が、
「大丈夫かいな、こんどはどないする気や、これからまた高津さんへ行くのかいな」
辰公 「アホ言え。こんなとこから高津さんへ行けるかい。北には天満の天神さんがある」
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