「天王寺詣り」


 
あらすじ 大阪の四天王寺ではお彼岸に七日のあいだ無縁の仏の供養、極楽往生を願って北撞堂の引導鐘をつく。その音は十万億土まで聞こえると言う。愛犬のクロが子どもたちにいじめられて死んでしまったが、友達の所へクロの往生供養のため引導鐘をつきたいと言ってくる。

 男は「子どもたちに棒で叩かれ”クワァ〜 ン”と泣いたのが、この世の別れ。無礙性無下性)にはどつけんもんでんなぁ」と泣きながら言うので、友達は「牛に引かれて善光寺参り」ならぬ「犬に引かれて天王寺参り」で連れて行くことにする。坂沿いに寺が並び坊さんが行き交う下寺町を抜け、逢坂合法ヶ辻(がっぽうがつじ)から、安井の天神さん一心寺に参り、日本三鳥居の石の鳥居をくぐって、参詣人で賑わう天王寺の境内に入る。

 二人は人混みをかき分け北撞堂にたどり着いて、クロの戒名の書いてある紙を坊さんに渡すと、「・・・・今日、引導鐘の功力を以って、三月十五日の諸霊俗名クロ・・・・・」で、坊さんが引導鐘をつくと、「ボォ〜ン、クワァ〜 ン〜クワァ〜 ン〜」とクロの泣き声のように鳴り響いた。
 「坊さん、引導鐘は三つやと聞いてまんねん。あと一つわてに撞かしとくなはれ」

坊さん 「撞いてあげなされ、功徳になりますで」

 「おおきに、クロ、えぇ声で頼むで。ひぃのふのみっつ」

 「クワァ〜ン〜」

 「あぁ、無下性にはどつけんもんや」


桂文枝(五代目)の『天王寺詣り【YouTube】

   源聖寺坂  下寺町1丁目の源聖寺の南側から東に上る坂。《地図
   口縄坂  下寺町2丁目の称名寺の北側を東に上る坂。《地図

道の起伏が口縄(蛇)に似ていることから付けられた坂名という。
   

安居天神

落語「天神山」にも登場する。

   真田幸村戦死跡碑(安居天神境内)
   

逢坂(おおさか)  逢坂1丁目と2丁目の間を東に上る。坂の途中の南側に一心寺、坂上に四天王寺。《地図

逢坂の関になぞられてよばれている。四天王寺参詣道として利用されてきた。

   

一心寺

仁王門の現代的な仁王像(平成9年の建立)、左が阿形像、右が吽形像

   四天王寺
   熊野権現礼拝石から南大門 《地図
   熊野権現礼拝石から仁王門

熊野古道(紀伊路@)
   「引導の鐘」の北撞堂(左端)






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