「山岡角兵衛」
★あらすじ 赤穂浪士に血判加盟した山岡角兵衛、ある寒い朝、井戸端へ出て顔を洗おうとしたとたんに脳溢血であえなく、コロッと死んでしまう。
女房のお縫は遺品から出てきた書き付けから夫の決心を知り仏前で、「志を遂げられずさぞかし無念なことでござりましょう。女ながらもあなたの妻。きっとあなたの忠義を貫いてご覧に入れまする!」と宣言、まさに貞女、烈女の鑑(かがみ)だ。
さて、女の身でできることはと思案したお縫さん、女の武器を利用するしかない、”操を破って操を立てる。破る操が真の操”と、夫の忠義に尽くそうと、本所松坂町の吉良上野介邸に乗り込む。
色っぽい年増女のお縫さんに、助平爺さんの吉良の殿様はぞっこんで、お縫さんはまんまと妾に滑り込む。すっかり上野介に気に入られたお縫さんは吉良邸の中を大手を振って、自由自在に探り回って撞木町にいる大石内蔵助に、屋敷の絵図面などの貴重な情報を送る女スパイとなって大活躍。
お縫いさんから後三日で上野介が米沢に出発するとの機密情報を受け取った内蔵助は、元禄十五年十二月十四日を討入りとする。
吉良邸に討ち入った赤穂浪士とともに、お縫いさんも得意の薙刀で縦横無尽の獅子奮迅の活躍だ。そこへ現れたのが神道流の達人、美濃部五左衛門だ。髪も着物の裾も乱して薙刀を振り回しているお縫いさんへ、ニヤニヤと美濃部スマイルで近づいて、「エイッ!」と斬りつけた。
さすがの鋭い切っ先にお縫いさん、思はずよろめいて縁側から足をはずして雪の庭に真っ逆さま・・・。しめたと五左衛門が斬り下ろそうとした時に、お縫いさんはくるっと一回転ながら薙刀で五左衛門の足を払って仕留めて、見事着地の金メダル。
これを遠くから見ていた内蔵助、ヤンヤヤンヤの大喝采で、
内蔵助 「えらい女子(おなご)じゃ。よく落ちながらクルッと回ったもんだ」
それもそのはず、角兵衛の女房だもの。
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角兵衛獅子
「山岡覚兵衛が高家吉良家に奉公する話」
(絵本赤穂義士銘々伝)
松之廊下跡
浅野内匠頭切腹の地(田村右京太夫邸跡) 《地図》
松之廊下から直線距離で2.3kmほど。
吉良邸跡(本所松坂町公園)
約8,400㎡あった吉良上野介の上屋敷の86分の1(約98㎡)
みしるし洗いの井戸 《説明板》
この井戸で吉良上野介の首を洗ったとか。
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