★あらすじ 片方の目を患った熊さんが義眼を入れてもらう。鏡を見ると男っぷりが上がり大満足だ。眼医者から夜寝る前は眼をはずして、湯飲み茶わんの水の中につけておくように言われる。さもないと縮んで小さくなり顔から目が落ちて、「落ち目」になってしまうという。
熊さんは早速、吉原に遊びに行く。馴染みの女からちょっと会わないうちに男前が上がったと大もてだ。一方、隣の部屋の客は、合い方の女が手水に行って来ると出て行ったまま帰ってこない。回りの部屋には女がついて盛り上がっているのに、自分だけが一人にさせられ面白くない。この部屋の留守番に来たみたいだなんてぼやきながら一人で酒ばかり飲んで酔ってしまう。
その内に隣も寝てしまったようで静かになる。隣の客はどんな男か見てやろうと、そっと熊さんの部屋に忍び込む。枕元に茶わんが置いてある。男は酔い覚めの水だと思って目玉の入っている茶わんの水を飲み干す。この水には芯があるようで、ちょっと生臭くて何か大きな塊りがのどを通っていったなんて呑気なことを言っている。
翌朝、男は家に帰ると便秘になり、腹がどんどんふくらみ始め10日位すると腹が布袋様みたいに膨らんでもう歩くのもままならない。
とうとう我慢ができなくなり女房に頼んで医者を呼んでもらう。医者は何かが肛門のあたりに詰まっていて、流しに置いたたわしが水の流れを塞ぐように肛門を塞いでいるようだという。そしてドイツ製だというメガネを取り出し、男の尻の穴から覗いて見ることにする。
いざ尻をまくった男の尻の穴をメガネで覗いた医者の先生、「うわぁ〜」と大声を出して表へ下駄もはかず飛び出してしまった。
男の女房があわてて追いかけてきてどうしたのかと聞くと、
医者 「ああ〜、実に驚きました。ご主人の肛門をこう見ていると、向こうからも誰かが覗いておりました」
収録:昭和61年3月
TBSラジオ「ビヤホール名人会」 |
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