★あらすじ 清正公を厚く信仰して繁盛し、「清正公酒屋」と呼ばれている酒屋のせがれ清七は、筋向いのまんじゅう屋「虎屋」の娘のお仲といい仲になる。
虎屋に遺恨がある清七の父の清兵衛は思い切れというが、清七は勘当されてもいやだという。清兵衛は仕方なく清七を分家へ預ける。一方のお仲も芝の母親の実家に預けられる。
お仲は婆やを通じて酒屋の小僧に手紙を渡し、清七のもとへ届く。一緒に連れて逃げてくれという文面だ。暗夜をえらび清七はお仲を連れ出し心中の道行となる。
(芝居がかりとなり)
清七 「七つの鐘を六つまで聞いて、残る一つは冥土へ土産、覚悟はよいかお仲」
お仲 「南無阿弥陀仏」
清七 「南無妙法蓮華経」、う〜んやっぱり死ぬときは南無阿弥陀仏がいいね。
清七・お仲 「南無阿弥陀仏」、お仲が海へ飛び込む。
清七も追って飛び込もうとすると、「これ待て清七 早まるな」と清正公大神祇に押さえられる。
清七 「清正公様でございますか、お助くださるならお仲もお助けください」
清正公 「娘は助けるわけにはいかん、まんじゅう屋の娘だ」
|