「四宿の屁」
★あらすじ 江戸四宿の岡場所でのおならのお噺。
品川の海が見えるお座敷での昼遊び。花魁が床の中で一発。慌てて足の方の布団を上げてばたばたと空気抜き。
客「おい、寒いじゃねえか」
花魁 「あそこの帆掛け船のまねだよ」、花魁が足を下ろしたので、布団の中の空気が客の鼻先へ、
客 「あ、そうか今のは肥舟か」
新宿では、花魁が客に酌をしている時に思わずブゥー。そばの若い衆が気をきかして、「失礼いたしました。とんだ粗相を」、感心した客が祝儀をはずむと、
花魁 「半分お出しよ。今のはあたしの働きだよ」、
千住では、この花魁も布団の中で一発。きまり悪いので、「今の地震気づきました?」
客 「地震?屁の後か、先か?」
板橋では、小職(こしょく・見習いの女児)が酌をしようと腰を上げたら思わずプー、
花魁 「お行儀の悪い子だねえ、階下へお行き」と叱ったとたんブゥー。
もう一つ、屁のお噺。
浅草の観音さまの賽銭をまんまと盗み出した泥棒。仁王門をくぐって逃げ出すところを仁王様に怪しまれてねじ伏せられ、足で背中をぐいっと踏んづけられてしまった。思わず出たのか、イタチの最後っ屁なのかその臭いこと。
仁王 「臭えやつだ」
泥棒 「へへっ、匂う(仁王)か」
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「品川の駅海上」(江戸名所之内・広重画)
品川宿の土蔵相模 『東海道(日本橋→六郷土手駅)』
品川の出て来る落語『居残り佐平次』・『品川心中』・『ちきり伊勢屋』
内藤新宿の妓楼(大正時代) 『甲州街道(日本橋→新宿追分)』
落語『文違い』・『ちきり伊勢屋』
「富嶽三十六景従千住花街眺望之不二」(葛飾北斎)
落語『藁人形』・『今戸の狐』
板橋仲宿の遊郭「新藤楼」の玄関(明治18年建造)
『板橋区立郷土博物館』
落語『阿武松』・『縁切り榎』
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