「夏どろ」(置どろ)  五街道雲助


 
★あらすじ★ 夏の方が戸締りが不用心でこそ泥は商売時だ。
夜中に、まぬけなこそ泥が長屋のきたない家に忍び込む。中で寝ていた男に金を出せと脅すが男は一向に動じない。
あいくちで脅すと、「さあ殺せ」という。男は大工で道具箱を質に入れてしまって仕事に出られず、生きていてもしょうがないから殺してくれという。

こそ泥は質料2円を男に渡し、道具箱を受け出し仕事に行けという。
大した泥棒じゃないと見破った男は利息が3円ついているといいまた金をせびる。そして、着物の質料3円、食い物代も1円せしめる。

あげくの果てに家賃が5つ分溜まっていて払えないから殺してくれという始末だ。仕方なく泥棒は残りの持ち金の11円まで男に巻き上げられてしまう。

すっからかんになった泥棒が帰ろうとすると男が呼び止める。

泥棒 「ふざけんな、この野郎。まだなんか用か」

 「すまねえ、季節の変り目にまた来てくんねえ」
 収録:平成7年6月
日本テレビ「笑点」


 
★見聞録★ 泥棒の登場する噺はいろいろあります。
どれも間抜けで親しみのある泥棒が登場しますが、この噺ほど人がいい泥棒はいないのでは。泥棒の足元につけ込み金をせしめてしまう男の方が悪賢さでは何枚も上手です。

この噺の落ちは何通りかあり。柳家小さん(五代目)は、煙草入れを忘れていった泥棒を男が追いかけて行って返そうとするところでサゲています。こちらの男のほうが少しは良心的?かもしれません。

泥棒の登場する噺 「出来心」・「締め込み」・「だくだく」・「お血脈」・「芋俵」・「穴どろ」・「碁どろ」・「もぐら泥」・「へっつい盗人」・「七面堂」など。


三遊亭金馬(3代目)の『夏泥【YouTube】




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